オーダースーツではよく耳にする「体型補正」。生身の人間は人台(トルソー)のように正体(セイタイ)ではございません。いろいろな癖があり特徴があります。それをカバーして、なるべくきれいに見せる、より良い着心地のものにする、のが体型補正になります。今回は、そんな体型補正がスーツの縫製工場ではなく、シャツでも出来る、というご紹介です。

TAILORS WORLD編集部の山本佑です。

オーダーは体に近くなればなるほど、採寸が難しいと言われております。ジャケットと違い、シャツには体型を補う芯などもなく、構造はシンプルながらアイロンワークも使用するのが困難な為ダイレクトに体のラインが現れます。TAILORS WORLD運営の株式会社ヤマモト が取り組んでいるシャツファクトリーは、そんな悩みを少しでも解消すべく、下記体型補正を入れることが出来ます。

まずは、そのシャツファクトリーの簡単な紹介を。

基本情報

新潟県に位置し、敷地面積は3,000坪、建坪645坪のオーダーシャツ工場として年間約111,000着のシャツを作る日本有数の規模の工場です。

立ちミシンを取り入れ、お互いの作業を助け合い、1枚ずつのシャツをスムーズに作業工程に流せるよう縫製ラインを構築しました。
これにより多様化するニーズに応え、仕様・素材・ロット・納期に柔軟対応できるようになっています。

ファクトリーの理念

◆要望に合わせた究極のシャツ

◆MADE IN JAPAN にこだわった新たなものづくりへのチャレンジ

◆優れた縫製技術の向上と継承には、従業員のさらなる成長と向上が不可欠

体型補正

・猫背

背中の丸さを補う為、通常のバランスより背巾を出し、その分胸巾を詰め、前身丈も詰めます。

・鳩胸

胸の高さを補う為、猫背とは逆に、胸巾を出し、背巾を詰めます。

前肩

肩線の前身側で1cm取り、ヨーク側で1cmプラスします。

・ツキジワ

後ろの衿ぐりを詰める様に0.4cm繰り下げると同時に、ヨーク部分も平行に繰り下げます。

・撫肩&怒肩

前身・後身肩線を上げ下げします。鎌下も同時に動きます。
「通常」の場合0.5cm、「強」の場合、1.0cm移動します。

・背巾広め&胸巾広め

通常のバランスから、それぞれ胸巾背巾を調整します。「通常」の場合1.0cm、「強」の場合、2.0cm移動します。
例えば胸巾広めの指示の場合、1.0cm胸巾を広くし、1.0cm背巾を狭くします。

・鎖骨

衿の外周が鎖骨にぶつかって衿のおさまりが悪い場合、ぶつかる部分を削り、おさまりを良くします。

・袖巾細め&広め

通常のバランスより、ぐるりで上腕で1.0cm、下腕で1.5cm調整します。

・袖細身

上記の細めに加えて、袖口が通常2タックの所、1タックに変更します。

・猪首

「いくび」は首が太く短いことです、第一ボタンを締めた際、喉に食い込み苦しくなる為、台衿の付け根部分を下げる事で軽減します。

体型補正以外のアピールポイント(特徴)

・1WEEK・1DAY

幅広い製品を国内生産の利点を活かし短サイクル納期でお届けできます。特に得意とするところで短納期、1WEEK・1DAY MADEなど短時間でお作りすることが可能です。

・異素材対応

シャツなどの薄手の繊維製品以外にも、さまざまな素材でオーダー品から既製品OEMまで、幅広い製品を国内生産の利点を活かし対応します。

・様々なカスタマイズが可能

様々な箇所で上がり寸法で指示ができ、バスト、ウエスト、着丈、裄丈、カフス廻りは当然のこと、肘巾(袖から◯cm上が◯cm)やアームホール、衿の高さ、剣先の長さ、カフス巾、裾のエグリの高さ(もちろんストレートも可能)、ポケットの大きさや位置(前立から◯cmなど)、数え上げたら枚挙にいとまがありませんが、本当に多くの箇所で寸法支持が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
オーダーシャツも色々と拘れる部分がたくさんあります。

体型補正の出来るシャツのオーダーに関してのお問い合わせは、こちらまで。