今回は、以前本記事でご紹介させていただいた、国内有数のテキスタイルメーカーである御幸毛織株式会社のイージーオーダー工場の記事です。
TAILORS WORLD 編集部の山本佑です。
御幸毛織の縫製工場とは?
まず、こちらの工場は青森の蓬田村と、北海道の小樽市の2箇所に有り、それぞれの工場にてジャケット、スラックス、ベストのアイテムを縫製しております。場所は違えど、機械や工程は同一オペレーションにて行い、商品の品質は統一感を持てせております。
そんな工場ですが、一言で特徴を申しますと、『テクノロジーとテクニックを上手に組み合わせた価格と品質のバランスの取れた工場』ではないかな、と思います。
それは、熟練した縫製技術者のミシン、アイロンプレステクニックに加えて、精密さや正確さが要求される工程に最適な自動ミシンを上手に使い、まさに手作業と機械化のベストミックスを実現しております。
また、独自のWEB入力システムを構築しており、オンライン上でオーダーが可能(事前登録必須)なため、いままでの手書きのオーダーシートの煩わさ、職出しの手間を軽減する一助を担っております。
そして、パターン開発にも余念がなく、マスターテーラーと呼ばれる匠の技術者が、時代性を取り入れたパターンを定期的に作り上げ、日本人の体型の特徴である「前肩」に拘ったパターン開発など、技術継承も継続して行っております。
さらには、オリジナルの毛芯の開発など副資材へのこだわりもポイントで、クオリティーの高さを追求する姿勢が伺えます。
*上記画像はメインパターンである、コンフォートエレガンス(左)とネオクラシコ(右)の商品となります。
それでは、各工程ごとにもう少し詳しく見ていきましょう。なお、こちらは青森の工場をメインにお伝えさせていただいております。
受注
百貨店などからWeb入力システムやFAXで送られてくるオーダーシートをもとに、寸法、デザイン、仕様などをコンピューターのCADシステムに入力します。生地を無駄にしないようパズルのように各パーツパターンを組み合わせて、CAMへデータを送ります。
*CAD/CAMとは、お客様の注文をパターン化したデータをもとに、型紙のベースとなるデータを作成。型紙なしで自動裁断機が記事を裁断するシステム。
裁断
CADで作成されたデータがリアルタイムで3台の自動裁断機に転送され、正確な裁断が行われます。スーツの上着1着分が約3分で裁断されています。格子柄(チェック柄)などパーツ同士の柄合わせが必要なものは、自動裁断機で型紙を切り出し、それに合わせて熟練の工員が手裁断します。
縫製
スーツの上着で約200工程、パンツで100工程にのぼる縫製工程を、合計約160人の流れ作業でこなしています。それぞれが自分の担当部分のプロフェッショナルであり、各工程用の専用ミシンと熟練の手縫いの技を組み合わせて、正確で効率的に作業が進められています。
プレス仕上げ
袖、襟、前身頃の右・左、肩、背中など、各部部ごとの専用プレス機により、スーツらしい立体感あるラインを作り出します。さらに、必要な部分は、さまざまな形状の仕上げ台とアイロンを用い、手作業で、より美しいシルエットに仕上げていきます。
検査
縫製が終了した段階、プレス工程の後、ボタン付けや細部処理が終わった後の最終検査など、検査は複数回行われます。CADに入力したお客様のデータに基づき、一点一点、出来上がりの寸法、縫製の状態などを、熟練したスタッフが厳しい目で検品しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本のものづくりをこれからもどんどん発信していきたいと思います。
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全国展開のオーダースーツ店にて2年間修行後、服飾資材の道に。
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