こんにちは。TAILORS WORLD編集部の萱場です。
今回は、ネクタイの長さについて書きたいと思います。
各国のネクタイの標準的長さ
日本では、1990年代頃までは伝統的に138cmくらい長さが一般的で、2000年代になってようやく140cm以上の長さが登場しました。
アメリカでは、子供用を除いて138cmから150cm以上のの長さまで用意されています。
英国やイタリアでのスタンダードの長さは146cm~148cmで中には160cmを超すものもあります。160cmの長さは、背の高い人のためのものではだけではなく凝った結び目を作りたい人の為に製作されています。
138cmの長さの本当の理由
各国を比べると、日本は平均身長が低いから、標準的な長さが短かったのかなと思われるかもしれません。
しかし、少しばかり凝った結び方(ダブルノットやウィンザーノット等)をすれば、138cmでは明らかに短すぎます。
また138cmでは、身長170cmの人が一番簡単な結び方シングルノットをで結び、大剣と小剣のずれが2cmあまりとして、ベルトに届くか届かないかのなってしまいます。
それでは、なぜ138cmが長い間、標準だったのでしょうか。
それは、生地の裁断時にバイヤスで45度カットした場合、その数字が最も無駄が出ないからです。
50cm幅の素材のからバイヤスカットし、効率的な数字をたどってくと138cmくらいにたどりつくのです。
ネクタイの理想の長さの定義
本題のネクタイの理想の長さとは、タイスペースの頂点からベルトの下までの長さの2倍に首まわりをプラスします。
更にその長さに、シングルノットで結ぶ場合はそれに必要な長さ11cm、ダブルノットであれば22cmを加えます。仮に身長170cmであればタイスペースから、股上のやや深いズボンのウエストまでの長さは短めに見積もっても43cm、2倍で86cm、その数字に平均的な首まわりサイズの38cmを加え、クラシックな結び目のダブルノットに要する22cmをプラスすれば、合計で146cmになります。ウィンザーノットであればプラス数cm必要になるのです。
ただ、日本人の平均身長から考えるとネクタイの長さは144cm~146cmくらいの長さが一番落ち着く長さだと言えます。
ネクタイオーダーする際は、自分自身の身長やネクタイの結び方などを考えたて長さを指定するのもおもしろいと思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか。簡単ではございますが正しいネクタイの長さについて書かさせていただきました。
もしかしたら、ネクタイの長さの出し方についてご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
注意が必要なのは、 着用するパンツのウエストの位置によって理想となるネクタイの長さが変わってくるということです。
ネクタイの剣先の位置と、ズボンのウエストの位置は、セットで考えると着こなしの巾や楽しみ方が広がるかもしれません
セレクトショップの販売から、オーダースーツの接客を経て、現職に至ります。趣味のサウナめぐりを再開できる世の中に戻ってくれることも願っています。