TAILORS WORLD 編集部の山本佑です 。

連日の猛暑と新型コロナ第7波の影響をひしひしと感じる今日この頃ですが、皆様体調には十分気をつけていただき、この暑い夏を乗り切っていければと考えております。

それでは早速ですが、今月号をお届けします!!

業界ニュース

【21年度全国専門店売上高ランキング】増収もコロナ前水準への回復は遠く

引用元: 8月3日付けの繊研新聞より

つい先日の8月3日の繊研新聞にて、昨年の専門店の売上結果の記事が掲載されました。

繊研新聞社が全国の衣料品主力の専門店各社に実施した21年度専門店ランキング調査がまとまった。コロナ禍の影響が最も大きかった20年度調査に比べ、売上高合計は増加したものの、前々期実績比では減収にとどまる企業が多く、コロナ禍前の水準までの回復にはまだ時間がかかりそうだ。個別に見ると、価格帯を問わず、SNSを駆使した客とのコミュニケーションを通じて顧客との結びつきを強化し、新たなファンも獲得して、市場での存在感を維持した店は一定数存在する。大手でも手ごろなカジュアルを販売する企業を中心に業績を伸ばし、前々期比でも増収を果たした企業もあった。

~中略~

メンズ部門の回答企業50社の売上高合計は9356億9100万円。前年度と比較可能な43社の売上高合計は9059億4500万円(前期比2・8%増)だった。このうち増収は24社、横ばい2社、減収17社だった。増収となった専門店が過半を上回ったが、コロナ禍に伴う休業や外出自粛の影響で業績が大きく落ち込んだ前期の反動で増収となった側面が全体として強い。

~中略~

一方、青山商事は前期比減収。はるやまホールディングスも減収が続き、22年3月期は増収のAOKIホールディングスも前々期の売上高までは回復しておらず、仕事着主力のスーツ専門店チェーンの苦戦が続いた。カジュアル専門店チェーンも上位企業のライトオン、マックハウスは減収だった。

繊研新聞より一部抜粋

ということで、スーツを主力とするところは非常に厳しい結果となったが、今年に入っても、コロナ、ウクライナ問題、円安、物価高など、先行き不安定で不透明な状況が続いていますが、こと”オーダー”という括りで言えば、既製服に比べると、減少幅も小さく(大手もそこに注力していることから)、究極のサスティナブルな点からも、まだまだ(希望を持って)回復してくると信じています。

多角化に成功した企業 ~青山商事について~

上記の売上ランキングにも登場しました青山商事ですが、先月7月4日のダイヤモンド・オンラインにて記事が掲載され、厳しい市場に対する多角化戦略が成功した事例として紹介されております。

青山商事は「より良いものをより安く、洋服の販売を通して社会に貢献する」という創業時からの理念のもと、紳士服専門店の「洋服の青山」を全国に展開している。ちなみに、大手紳士服専門店チェーンの中で、47都道府県のすべてに店舗展開しているのは青山商事だけとなっている。

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一方で、“本業”でもあるビジネスウエア事業は、青山商事に限らずどのチェーンも伸び悩んでいる。現在は大手紳士服チェーンの多くが多角化を推進しており、それは青山商事も例外ではない。

青山商事では現在、ビジネスウエア事業のほかに、主に以下の事業をドメインとしている。

・カード事業:会員クレジットのAOYAMA CARDを運営しビジネスウエア事業を支援

・印刷・メディア事業:販促支援企業としてクロスメディアや印刷物企画制作などを展開

・雑貨販売事業:100円ショップ「ダイソー」のフランチャイジー、「洋服の青山」閉鎖店舗や空きスペース有効活用策として運営し、店舗数は100を超える。

・総合リペアサービス事業:靴修理や鍵の複製などを手掛けるミスターミニット(社名はミニット・アジア・パシフィックで青山商事の完全子会社)を国内・アジアで635店舗展開

・フランチャイジー事業:「洋服の青山」駐車場空きスペースを活用し、焼き肉キング(38店舗)・ゆず庵(13店舗)をフランチャイズ展開

これらビジネスウエア以外の事業の売上高は現在、全体の3分の1前後を占める規模となっている。

https://nordot.app/916435798525886464?c=113147194022725109

上記のフランチャイジー事業や、雑貨販売事業は紳士服店舗の空きスペースを使用したり、ロードサイドベースのチェーン店舗の土地を有効活用しています。

キュプラ裏地、いよいよ在庫無し(&上がり未定)が増えてきており、影響まだまだ続きそうです。。

こちらの6月号に記載させていただきました、旭化成の工場火災によるキュプラ裏地の供給問題、まだまだ収束しておらず、品切れが続出している状況になっております。

特に、メンズスーツにて定番のキュプラ裏地「AK1800」でも、各工場で品切れが色によって出てきてしまっております。(それにより、ポリエステルの裏地に注文が集中し、こちらも生産が追いついていない状況で品薄状態となっております)

早い収束を願うとともに、6月号でもお伝えしましたが、富士吉田のEXCYオリジナルジャガード裏地や、旭化成と共同開発しました、こちらもEXCYオリジナルのAKXシリーズ(100~800)を随時ご案内しております。

今月の私達の活動

夏季休業のお知らせ

EXCYのマスコットキャラクター”えくしーちゃん”

8/11(木)~8/16(火)を夏季特別休業とさせていただきたく存じます。
お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが何卒よろしくお願い申し上げます。

8月10日(水) 通常営業
8月11日(木) 祝日
8月12日(金) 夏季特別休業
8月15日(月) 夏季特別休業
8月16日(火) 夏季特別休業
8月17日(水) 通常営業
*土日については通常通りお休みとさせていただいております。

ボタンカタログ「EXCY BUTTON COLLECTION VOL.3」特設ページ開設!!

先月号に完成した記事を書きましたが、全ページの画像を掲載した特設ページをHP上にアップしましたので、こちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

https://www.excy.co.jp/materialdept_buttoncollection_vol3.html

また、このVOL.3から新たにラインナップに加わりました、Newボタン(Made in Italyボタンが4種類、水牛ボタンが1週類)をこちらで一挙にご案内させていただきます。

ナポリナット

Made in Italyのナットボタン「ナポリナット」

イタリアボタンメーカーから直輸入しております、Made in Italyボタンシリーズに、今まで1種類しかなかったナットボタンに追加されました。いままであったナットボタン「イタリーナット」に比べると、厚みが増し、ブルーやホワイトと言った少し遊び心のある色数を加えているのが特徴です。

オルビア

Made in Italyのボタン、「オルビア」

イタリアらしい繊細な曲線美と、素材にカゼインを使用している、ボタンです。

コルス

「コルス」

ボタン穴の廻りをリング状に別色が施されている、イタリアらしいボタンとなっております。

モデナ

こちらもイタリアらしいボタン、「モデナ」

上からの画像では伝わりづらいと思いましたので、別角度から。ボタン穴廻りにリング状の凹凸があり、なかなか表情のあるボタンとなっております。

600-4H

重厚感のある本水牛ボタン、「600-4H」

600-4Hは、単に2つ穴の「600-2H」の4つ穴バージョンだけでなく、より日本人の体型(身長、袖丈)に合う、フロントボタンは19mm、袖ボタンは14mm、のサイズにしたところです。
*600-2Hは、19mmと15mmの展開
色展開は3色と決して多くはございませんが、本水牛の重厚さを醸し出し、かつシンプルなデザインで、表生地との相性も抜群です。

こちらのボタンたちも、貴店のラインナップに加えていただければ光栄です!!

MIYUKIの22AWバンチ、完成間近!!

2020年秋冬より、取り扱いが開始した御幸毛織のテーラー様向けカット生地販売ですが、いよいよ22年AWバンチが完成する、と連絡をいただけました。*上がりは8月末頃の予定。ちょっとインポートの生地の手配が遅れてしまったようで、例年より若干遅目です。

まだ、完成品が手元に届いておりませんので、生地の画像などは来月号になってしまいますが、取引先各位には、バンチの予約注文の受付を開始しております。ご興味ございましたら、 こちらまで 、何なりとお申し付けくださいませ。

ヤマモト周辺神田須田町情報局

~甘味処竹むら~

今回は1930年(昭和5年)創業の甘味処竹むらを紹介します。


竹むらは創業当日から変わらぬ味を現代に伝える甘味処です。特に自家製の餡をたっぷり使った”あわぜんざい”(夏場は休止)や餡がたっぷり詰まったごま油で揚げる”揚げまんじゅう”が名物で、竹むらと言えばあわぜんざい、揚げまんじゅうと言うほどの有名なお店です。

その他にも白玉クリームあんみつや夏場には欠かせないカキ氷など多数メニューがあり、どの季節に行っても楽しませるレトロを感じるお店です。近年ではアニメ「ラブライブ」の主人公の実家として登場したことからアニメファンの聖地になった事でも話題になりました。是非一度お店に行って召し上がって下さい。おすすめです!!
その際は、弊社も近所ですのでお立ち寄りいただければ幸いです笑

今月の読書のススメ

メンズウェア100年史  キャリー ブラックマン著 2010年

黄色いスーツを身にまとったデヴィッド・ボウイが表紙のこちらの本は、1900年代から2000年代までのメンズファッションの流行やトピックスを当時の写真や、絵画を交えながら、解説しています。

ロイヤルファッションから、ナチス体制への反発心を表現していたザズー・スタイル、究極の作業着をデザインしたロドチェンコ、革ジャンを流行らせたマーロン・ブランドの映画、1960年代の「ピーコック革命」、ジョン・レノンの髪型、パンクとクラブ・シーン、時代を先導した雑誌たち、そしてトム・ブラウンのタイトなジャケットまで。 この100年間にメンズウエアの世界で巻き起こった革命を、ファッション史家、キャリー・ブラックマンの解説付きでわかりやすく紹介した贅沢な写真集。 希少価値のある写真やイラストを通して、この100年の間に、サヴィル・ローの上品なテーラードや、耐久性のあるカーキ色の軍服、制服や作業場で着用されていたデニムなどが、スタイルや色使いにおいてどれだけ変化してきたかということを順序立ててわかりやすく紹介している。ハリウッド・スターのファッションや1930年代に活躍した個性的な芸術家たちなどの素晴らしい写真がこれほどふんだんに掲載されている本は珍しく、それらを参照しながら、実用服からピーコック・ファッションに至るまでのメンズウエアの進化を探求している。 この貴重な本の中では、ピエール・カルダンやジョルジオ・アルマーニ、ラルフ・ローレンなどの有名デザイナーたちが与えてきた影響力と1960年代のストリート・ファッションが対比されていて、パンクやクラブ・シーンがメンズウエア市場を発展させた経緯についても言及している。 『メンズウェア100年史』は、ファッションを学ぶ初心者はもちろん、ファッション史家や、メンズファッションをこよなく愛する人々にとって必読の書である

Amazon 商品ページより

メンズファッションの概観が歴史ととともにわかる本です。

私が個人的に好きなのは、グスタフ・クリムトの写真です。一枚の貫頭衣のようなスモックを羽織ったクリムトの写真が、なんというか、「ジェンダーレス」「自然回帰」などの今の気分に合っているようにも感じられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。コロナ、酷暑、電力逼迫といろいろな課題がある夏ですが、体調に気をつけて乗り越えていきましょう。

また、そのほかの内容についてのご注文やお問い合わせ、さらに附属や縫製サービスのお問い合わせはこちらまでお願い致します。