残すところ2022年も1ヶ月を切りました。寒さも日に日に増してきており、秋から冬の装いに移り変わってきている今日このごろ、皆様におかれまして、いかがお過ごしでしょうか。
TAILORS WORLD 編集部の山本佑です。
それでは、今月号も下記充実したラインナップでお届けしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します!!
目次
11月の附属販売状況
まさにオーダースーツ業界の繁忙期、当社の店頭にもテーラー様や、学生さんたちで賑わった1ヶ月でした。
また、 地方のテーラー様より、久しぶりにご注文をいただけたり、資材のお問い合わせをいただけたり、沢山のご連絡をいただき、ああ、賑わいを取り戻してきたかな、と感じた月でした。
当社の資材部門の11月の実績でも、昨年より若干のプラス、コロナ禍前の2019年度比で5%ほどのマイナス、と数値的にも平時に近づいているのを実感できます。
そんな中でも、やはりシーズン物である、コート資材が好調でした。ご注文書の裏地の用尺がコート数量になっていたり、ボタンの25mmが出たり、あとは三つ折りのツーリストバッグが出たり、とコート特有の資材が目に付きます。
中でも、ツーリストバッグは比較しやすく、実績ベースで昨年対比、
・NO.250 手付きロングが、171%(183枚/107枚)
・NO.236 三つ折りツーリストバッグが、143%(76枚/53枚)
と、昨年より非常によく出ており、コート需要好調さを物語っております。
また、コート用の裏地としましては、朱子織りである、下記2品番が特に好評いただいております。
コート用資材につきましては、ぜひご検討いただければ幸いです。
業界ニュース
14日には紳士服大手のコナカが22年9月喜決算で5期連続で営業赤字と厳しい一面あり、17日に今年の「スーツ・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が開催されたり、11月22日は”ボタンの日”だったり(笑)と、色々ありましたが、
いつまで続く!? キュプラ供給不足~現状のご報告~
4月に発生した旭化成のキュプラ工場の火災により続いておりますキュプラ供給不足で、大変ご迷惑をおかけしている状況で、お問い合わせも多数頂いており、改めて現状の報告をさせていただきます。
まず、キュプラを生産する工場は、経糸工場と緯糸工場の2工場あり、今回火災したのは、経糸工場の方です。被害は大きく、こちら復旧の目処は立っておりません。が、もう一つの緯糸工場にて、経糸を作成し試みているが、物性や風合といった面でなかなか試験結果が芳しくないようです。そのような状況なので、旭化成の方で会社全体で何を優先にしていくかなど検討し、年明けくらいには判断していくとのことです。
ということで、まだまだ先行き不透明ではありますが、キュプラ情報につきましては今後も分かり次第、ご報告させていただきます。
また、当社オリジナルのキュプラジャガード裏地「AKXシリーズ」は、ほんの一部品切れは出ておりますが、まだまだ豊富に在庫がございますので、引き続きご利用くださいませ。
ベストドレッサー賞&ベストデビュタント賞、授賞式に参加してきました。
11月30日セルリアンタワー東急ホテルにて行われました、第51回ベストドレッサー賞、第19回ベストデビュタント賞の発表、授賞式に行ってまいりました。コロナの影響もあり、このようなパーティーに参加できておりませんでしたが、万全の感染対策のもと、久しぶり(3年ぶり)の参加となります。300名を超す業界関係者と報道陣、華やかな受賞者の方々で、会場は非常に盛り上がっており、また、「ファッションで日本、世界を元気に」というワードが壇上スピーチでよく出て、そうだそうだ、と頷いた次第でございました。
なお、ベストドレッサー授賞式に関しましては、撮影NGでしたので、ご容赦ください。
今月の私達の活動
今月の職人のつぶやき~ビキューナの縫製について~
当社には、仕立職人であった父から縫製技術を叩き込まれ、一流テーラーでセールスエンジニアとして研鑽を積み、営業部長、工場長を歴任し、営業と生産を熟知するスペシャリストの職人がおります。不定期ではございますが、そんな職人からのちょっとした豆知識をお送りしていきます。
今回は、ビキューナの縫製について。*実は先日、お取引先のテーラー様よりお問い合わせを頂いたのです。
ビキューナの生地をご存じの方も多いと思いますが、アンデス地方に住むラクダ科の仲間で、南米の原語であるケチュア語の”ビクーニャ”が由来で、獣毛素材の中で最高級であり、頭数が少ないため、ペルー政府の厳重な管理により、2年に1度しか剪定作業は許可されておらず、電動バリカンで5分で刈り終えないと摩擦と静電気により繊維に影響が出るほど繊細なため、希少で高価なのです。
この度、ビキューナの縫製についてお問い合わせいただいたので、過去の経験から下記をお伝えさせていただきました。
長い毛足が潰れないように、毛並が乱れないように、
・しつけ糸は呉服用を使用
・ミシンスピードを落として、
・ミシンの押え金をテフロンに変えて、
・アイロンもシャクトリムシの要領で生地に負担をかけないように、
・縫い代割は、押さえ板を使用して、
・アイロンの熱を取り、細心の注意を払う。と、お伝えしているうちに、その当時を思い出し、生地のなめらかさ、しなやかさに感動したことや、仕上がった時の充実感を感じた次第です。
縫製職人古川談
ご参考にしていただけれ\ば幸いです。
今月のピックアップブログ
よくお取引先であるテーラー様より、レディース用の生地無いですか?などのお問い合わせを数多くいただきます。
もちろん通常のスーツ地であれば、スーツ地バンチよりお選びいただけるかと存じますが、レディースらしい立体感のある生地や、ラメが入っているような生地は、なかなかありませんよね。
そんな中で、編集部のKayabaよりツイードの生地をメインにご紹介させていただいておりますブログをアップさせていただきましたので、ご笑覧いただき、ご検討いただければ幸いです。
鷹岡株式会社の来SS生地の続報
先月号に引き続き、鷹岡の春夏生地バンチのご紹介となります。まだMAP状態でのご紹介となりますが雰囲気だけでもお伝え出来ればと思います。
昨今の値上がりに伴い、春夏よりおよそ10%程度の値上げになる様です。定番で使用出来そうな素材については、先に着分として仕入れておくことをオススメ致します。
一部ではございますがご紹介させて頂きました。
ここ最近、レディースにも使用できる生地のお問い合わせが増えている様で、明るめの色目も意識しセレクトしている様です。
継続しバンチのご予約も承っておりますので、お気になるものございましたら、ぜひお問い合わせ下さい。
マイネッティハンガーの納期~現状報告~
今年の6月末に開催させていただきましたマイネッティハンガーのオーダー会にて、ご注文いただきましたハンガーの納期ですが、マイネッティジャパンに進捗状況を確認したところ、イタリア本社のトップレベルの方たちを交え確認してもらいまして、
現在、ほぼ生産は完了しつつあるものの、全ての製品が完成しておらず、全品番の完成にはあと数日かかるとのことです。
また、遅れの原因ですが、実は本社イタリアでの原材料の入荷遅れが大きく起因しているようで、それはヨーロッパ全体での原材料の不足により、日本向けだけではく、全社的に間に合っていない状況とのこと。
もちろん、マイネッティ社は世界ナンバーワンのハンガーメーカーであり、仕入れもそれなりの優先度をもっておりますが、そうした優位性が機能しない入荷が遅れてしまっている、と。
加えて、コロナの状況も日本から伺いみるよりも依然として良くなく、感染により休業する社員も少なくなくあり、業務に影響を与えていることが否めない状況であり、本年度中の納品が非常に難しい状況にございます、とのことでした。
ご注文いただきましたお取引先各位には、大変お待たせしており誠に申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。
また、弊社ストック分の下記3色のハンガーも同時期となりますので、こちらも楽しみにしていた方々にもお詫び申し上げるとともに、入荷までお待ちいただければ幸いです。
ヤマモト周辺神田須田町情報局
~ハーフトーン~
今回は、お弁当屋のハーフトーンさんをご紹介いたします。小川町から靖国通りの須田町交差点を超えて一本目の路地を右に入ったところにあります。
40年程前に喫茶店として創業されて、その後にお弁当屋さんに変わり32年!
明るい女性3人で切り盛りされているお店です。すべてのお弁当があったか手作りでワンコイン!(税込500円)
お昼時には、行列ができてしまいます。やっと先頭にたどり着き注文をして右側の台の上のお味噌汁をセルフで自分で注ぎます。
遅く来るとまず具がなくなりお鍋がからっぽになってしまう事もあるので、具がタップリある早めがおすすめです。お味噌汁にフタをしたらワンコインを用意してお店の外で出来上がりをお待ち下さい。日替わりのお弁当は早く出来るのでお急ぎの方は、どうぞ!
日替わりは、二週間でワンクール
唐揚げ系が5種類
ハンバーグ系が6種類
お肉系が3種類
魚系が3種類
私は、唐揚げカレー推しです。日替わりの二週目の火曜日のメンチカツも侮れません。近所には、3個以上でデリバリーもしています。
神田でお弁当屋さんをお探しの際は、どうぞご利用下さい。そして近くの弊社までぜひ足を伸ばしてみてください笑
読書のススメ
[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで
スーツやネクタイ・靴の選び方からTPOに応じた着こなしまで、できる男になるためのお洒落の要諦を人気服飾評論家がわかりやすく解説!
著者の落合正勝氏は、雑誌・新聞連載と服飾関係の著書を多数もつ男性服飾評論の第一人者である。
本書は、氏の著書の中でも男性ファッションの最も基本的な内容をわかりやすく解説したものであり、スーツ・シャツ・ネクタイ・靴・靴下・着こなしなど、お洒落についての知識とノウハウを総合的に解説した定番ともいえる一冊です。
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例えば、なぜ、クラッシックなネクタイの幅は9~9.5センチで、シャツの襟幅の角度が160度でなければならないのか……?著者は言います。「クラシック・スタイルは、基本を守らねばなりません。始めのうちは、私の述べた通りのことを遵守してください。本書では、ファッション先進国における、男のコモン・センスを述べることができたと自負しております。この本があたり前すぎて陳腐に思えてきたときこそ、貴方はお洒落の達人になりえます」と。
本書は、仕事もお洒落もできる男を目指す人の、まさに必携の書といえよう。
服飾評論家として有名な落合正勝氏の服装術をまとめた本です。トレンド性を加味すると、やや古い本かもしれませんが、ファッショントレンドは常に変化し、古いと思っていたものが少し顔を変えて新しいトレンドとして再登場するというサイクルが繰り返されます。こちらの本はそのトレンドではないコアな部分に言及しており、特にドレスクロージングの着こなしには歴史と基本といえるものがあり、その歴史も含めた解説がなされた読み物としても面白い著書だと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
また、上記内容についてのご注文やお問い合わせ、そのほか附属や縫製サービスのお問い合わせはこちらまでお願い致します。
全国展開のオーダースーツ店にて2年間修行後、服飾資材の道に。
特にスーツ(重衣料)の事ならお任せください。