今年のゴールデンウィークはコロナ禍前の賑わいをだいぶ取り戻し、各地での盛り上がっている模様や、高速道路の渋滞など連日ニュースでよく流れていました。海外の旅行者も多く、インバウンドも復調(中国はまだですが)の兆しでしたね。そんなゴールデンウィークもあっという間に終わり、梅雨のシーズンに突入ですね。そんな今日このごろ皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
TAILORS WORLD編集部の山本佑です。
目次
5月の附属販売状況
各お取引先ごとでは多少の差はあれど、前年比でほぼトントンと言った状況でしたが、コロナ前の2019年度比では、約15%ほどマイナスと月ごとに凸凹しており、冒頭で述べた景況感がファッション、特にスーツなどの重衣料に向いてくれることを期待するばかりです。なお縫製受託サービスを行う部門である縫製部でも、2019年度比では同様の結果でしたので、やはり全ての物の価格が上がっていると言っても過言ではない状況で、価格転嫁をせざるを得ず、スーツ価格の上昇や、国内縫製工場の人手不足などの事由による納期が延びていることなどが、影響しているのだと感じます。
そのような中、特に目立った動きといたしましては、天然素材のボタンが好調だったことでしょうか。上記のスーツ価格上昇と逆説的になってしまいますが、「折角スーツを作るのだから、良いものを付けたい」というオーダーならではの兆候ではないでしょうか。*もちろん絶対数はポリエステルボタンに負けますが、比率が高くなっている、という意味です。
天然素材の販売実績の上位で見ていくと、
Made in Italyの本ナットボタンが、天然素材のボタンの第1位で、全商品の中でも10位の販売数量となります。
続いて、このシーズンならではの、17型の定番4ツ穴貝ボタンでしたり、すり鉢上の本水牛ボタン「ムース」でしたりが、目を引きます。
また、昨年4月の旭化成の工場火災によるキュプラ供給不足が未だ続いていることによる、以前紹介させていただいたキュプラXポリエステルの交織ジャガード無地裏地「11000」も好調をキープしており、日々お問い合わせやサンプル帳のご依頼などいただいております。
業界ニュース
コロナ収束による出張増加!? ツーリストバッグの動きが好調!!
マスク着用が個人判断に、そして5月8日から正式に新型コロナウィルスが2類から5類に移行の影響でしょう、全体的な数字は昨年トントンと書きましたが、そのなかでも大幅に数量アップしているのがツーリストバッグ、そしてそれに付随するハンガーです。
当社が取り扱う、すべてのツーリストバッグとハンガーの販売数量が、昨年比で140%と伸びております。
外出、移動する機会が昨年と比べて格段に増えたのでしょう。また、より出張向けのツーリストバッグも動きました。
スーツに関する一般消費者アンケート調査からオーダーの可能性を知る
伊藤忠グループでインターネット調査を中心に提供するマイボイスコムの、スーツに関するインターネット調査が発表されておりました。
最近のビジネスシーンはカジュアル化が進み、スーツの所有と着用の場面に変化が見られ、スーツ所有者のうち、所有数が2~3着または4~5着が最も多く、所有者の6割近くは法事や葬式などの場面で着用し、4割弱が仕事や結婚式で着用しています。
調査では男女1万人近くが回答し、スーツ所有者は8割強。着用頻度は年に1~2回が最も多く、年に1回未満や週に1回以上の割合もそれぞれ2割弱となっています。着用場面では、法事や葬式が最も多く、次いで仕事や結婚式があります。仕事での着用は男性の10~50代が多く、入学式や卒業式などの祝い事は女性の40~50代が多く、法事や葬式は高齢者が多く着用しています。また、若い男性や女性は就職活動での着用が高い傾向にあります。
また購入場所では、スーツ量販店が「44.7%」と最も多く、百貨店は「25%」で割合は減少しています。SCは過去3回の調査では微増傾向だったが、今回は「9.7%」と若干減った。代わってネットショップが「7.8%」と微増ながら上昇傾向、オーダーメイド専門店は「5.6%」で、わずかながら上昇傾向にある様です。
スーツの購入時に重視される点は、サイズの合うことが最も重要であり、好みの色や柄、価格も重視されています。また、着心地や好みの形、素材も重要視されます。
グラフからでは、年々スーツの所有数が減少してるのが実情。
購入場所では、まだまだ量販店が強い様ですが、購入時に最も重要視される理由からしても、オーダーというジャンルが最も適してる点が見て取れます。オーダーが年々広まってる感覚がありましたが、5.6%という、まだまだな数字から見ても、伸び代がまだまだ有り、オーダー業界は可能性が広がっているのではないでしょうか。
今月の私達の活動
これからの季節にぴったりなメッシュ裏地「4700」原反入荷、そしてサンプル帳完成!!
先々月号に軽く触れさせていただきましたが、EXCYオリジナルの新商品である、ペイズリー柄メッシュ裏地「4700」の原反が先日入荷しました。
また、事前にサンプル帳分を作成してもらい、サンプル帳作成を同時進行しておりましたので、サンプル帳の用意も万全です。
こちらのメッシュ裏地ですが、ほかのEXCYオリジナルジャガード裏地同様、山梨県富士吉田の機屋にて織られたもので、タテ糸20双糸のポリエステル100%を314本、ヨコ糸75単糸のキュプラ100%の糸を135本使用しており、通常のメッシュ裏地の場合、糸本数はこれより30%くらい少ないものですが、無地部分を少なくするため、又、柄出しを良くするために柄の大きさを圧縮し、糸本数を大きく増やしました。
一番の特徴は、「軽さ」と「通気性」であり、さらに触れたときのシャリ感、サラサラ感が盛夏用のスーツに最適な裏地となっております。
今月のピックアップブログ
以前ご紹介させていただいた、イージーオーダー工場紹介ブログの今度は生地屋さんバージョンのブログです。
今回は6社を紹介させていただきましたが、このブログの末尾にも書きましたが、第2段、第3段と続けていきたいと思いますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。
ヤマモト周辺神田須田町情報局
~スリーエース~
20~30年前までは、 神田の須田町といえば生地問屋(羅紗屋)街でしたが、昨今10分の1ほどに減少してしまいました。
今回ご紹介しますのは、スリーエース株式会社さんです。前述の通り須田町に残る数少ない生地屋さんの一つです。
創業は昭和55年、服地の卸とオーダースーツの受注をされています。場所は、肉の万世のすぐ裏にあり、気立ての良い店主がひとりで切り盛り しています。
弊社からも大変近いので、表生地をこちらにご覧になられたあと、弊社で附属をご覧いただければ幸いです笑
まとめ
いかがでしたでしょうか。
また、上記内容についてのご注文やお問い合わせ、そのほか附属や縫製サービスのお問い合わせはこちらまでお願い致します。
全国展開のオーダースーツ店にて2年間修行後、服飾資材の道に。
特にスーツ(重衣料)の事ならお任せください。